発表者と参加者合わせて100名前後が、地元だけでなく関東・甲信各都県や愛知、兵庫、島根
などから集まり、砂金や金山に関心を持つ人の多さを感じた。砂金がメインの石友の顔もお見かけし、
挨拶させていただいた。
発表プログラム
時 間 | 内 容 ・ 発 表 題 目 | 発表者 (敬称略) |
13:00 | 開会式 | 13:15〜 | 書籍から探る奥三河の埋もれた産金地 | 中村 軒一 | 13:40〜 | ライバルに差をつける 寄場発見ワンポイントアドバイス | 春山 崇 | 14:05〜 | フラットパンとBateeと 揺り板の自作に関する試み | 野村 敏郎 | 14:30〜 | 岐阜県中津川地域の砂金産地巡る | 石田 政明 広瀬 義朗 |
14:55〜 | 休憩(15分) < | 15:10〜 | 甲斐斑山金山に関して | 八巻 与志夫 | 15:35〜 | 3次元スキャナを用いた 湯之奥金山坑道跡や鉱山臼の定量解析 | 松江高専 久間 英樹 |
16:00〜 | 信州の放浪記 | 宮坂 隆志 | 16:20〜 | 全体質疑応答(15分) | 16:55〜 | 閉会式・講評 |
発表内容は、参加者の多くが”砂金採り”を趣味にしている点を意識してか、@新産地や寄場と
呼ばれる砂金の濃集ポイント発見 A砂金産地・金山探訪 B採集道具 などがメインで、久間
先生のようなアカデミックな発表は異色だった。
発表20分、質疑応答5分で、活発な質疑応答があった。
今年から、発表だけでなく「ポスターセッション」が設けられ、会場の壁面にはA1サイズのポスターで
1月にテレビ放映され、小松学芸員が出演した「鉄腕ダッシュ」の裏話などが展示してあった。
テレビ画面には夜遅くなってからの収録と思われる場面があったので、「夜遅くまで大変でしたね」と
小松学芸員に声を掛けると、「収録よりも、(炉の温度などの)条件を出したりする準備の方が・・」、と
正味1時間ほどの放送のために、その何十倍もの準備時間がかかったようだ。
これを受けて、石田さんが、市内何か所で砂金探しを行った結果、Y川で同行した人が”粉金”と
呼ぶ微細な砂金を2つ採集した、との報告で発表を締めくくった。
この時の砂金は「ポスターセッション」の部に、瓶に入って展示してあったが、会場が薄暗い上に、
瓶の中に”ゴミ”が混じっていて、どれが砂金なのかよくわからなかった。
@ 中津川市周辺では明治〜昭和にかけて砂錫採取が行われた際に砂金も回収された。
A 砂金の成分分析などはされておらず、『ペグマタイト起源の自然金』かは不明
B 浅間山(せんげやま)やその麓を流れる山ノ田川などでは砂金産出の記録がある。
⇒ 今でも砂金を採ることはできるであろうか?
広瀬さんは博物館主催の「砂金掘り大会」では総合優勝を飾ったこともあり、フィールドでは”ナゲ
ット”と呼ばれる大粒の砂金を多数採集している練達の士として有名で、その人が採れないとなると
『今でも砂金を採ることはできるであろうか?』 、という疑問が生まれるのも当然だ。
このまとめを聞いて、中津川の砂金を追い求めて2010年に何回か訪れ、その度に結果をHPに掲載
していた ” Mineralhunters " としては、黙っていられず、いくつか質問というより自説を開陳させて
いただいた。
・ 岐阜県苗木地方の 「 砂金 」 その3
( Placer Gold(GOLD) from Naegi Area - Part 3 -, Nakatsugawa City , Gifu Pref. )
Q1 「今でも砂金を採ることはできるであろうか?」
「発表のまとめの最後にあった広瀬さんの質問に質問者の私が逆に答えると、” 採れる ” 」、と
発言すると、会場にどよめきが起きた。
それは、過去に下の写真のような砂金を採集しているからだ。しかも、私だけでなく妻や同行した
K氏も採集していることから客観的事実として ” 採れる ” 、と断言できる。
Q2 「ペグマタイト起源の自然金か」
「砂金と随伴、一緒に採集できる鉱物として、熱水鉱床に産出する『木錫(Wood Tin)』があるので、
中津川の砂金は『熱水鉱床』起源と考えている。普通の錫石が産出するところでは砂金は出ず、
木錫があるところでのみ砂金が採れる」 、と自説を述べさせていただいた。
”錫鉱の採掘に伴って砂金が回収された”、という話は見聞していないので、これも質問しようかと
思ったが、思いとどまった。
(2) 「バレンタイン」プレゼント
この日が「バレンタインデー」の前日だということで、フォーラムの席上、小松学芸員手作りのクッ
キーと久間先生手作りのチョコレートを配布していただいた。
どちらも、湯之奥金山遺跡から出土した石臼をモチーフにしたものだ。久間先生のは石臼を
3次元計測したデータをもとに3Dプリンターで型をこしらえ、そこにカカオを溶かして流し込んだという
本格的なものだ。
1月末に横浜に住む孫娘が手作りする様子を写した写真とともに、「バレンタイン」プレゼントが
届いていた。
2人の孫娘は、ともに4月から ” ピカピカの1年生 ” になる予定だ。